時空間の歪みは日常の至る所に潜んでおり、まるで異界への入り口であるかのような様相を呈しながら突如として我々の眼前に姿を現す。それらを記録・蒐集することで、不可思議な世界の姿を捉えることができるかもしれない…。
1966年 | 東京都生まれ 仙台市在住 |
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2003年 | 個展「空間の記憶」 café Matisse gallery |
2004年 | 個展「Asphaltic」 café Matisse gallery |
展示作家とゲストによるアーティストトークを行います。予約不要・参加無料。開始時間までに各ギャラリーにお集まりください。
ゲスト:小岩 勉(こいわ つとむ)
1962年 岩手県一関市生まれ。宮城教育大学教育学部卒。東北造船等の労働運動、各地の住民運動などのドキュメンタリーを撮影後、原子力発電所のある、女川町の日常を長期で取材。また、街と生活を写真で記録するワークショップと市民参加型の出版活動を、仙台市で5年、本吉町(現、気仙沼市)で11年続ける。写真集に「女川海物語」カタツムリ社、「FACES OF HUMANITY」共著、「野守の鏡」私家版など。個展多数。現在、東北芸術工科大学・会津大学短期大学部ほか非常勤講師。仙台写真月間2014での個展と、12月〜2015年2月にドイツ・デュッセルドルフでの個展(女川海物語)を準備中。
よりシンプルに。
特徴の無い普通の風景に三脚を立てレンズを向ける。
ひとつひとつ不必要なものを排除し、より純度を高めるように構図を練る。
気付けば、カメラを構えてから30分以上経過していた。
私はシャッターを切った。
何も無かったはずの風景に何かが存在した。
1980年 | 長野県長野市生まれ 仙台市在住 |
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東北芸術工科大学 大学院 芸術工学研究科 デザイン工学専攻 ビジュアルコミュニケーションデザイン 修士課程修了 | |
2013年 | 個展「Horizont」仙台アーティストランプレイス |
展示作家とゲストによるアーティストトークを行います。予約不要・参加無料。開始時間までに各ギャラリーにお集まりください。
ゲスト:小岩 勉(こいわ つとむ)
1962年 岩手県一関市生まれ。宮城教育大学教育学部卒。東北造船等の労働運動、各地の住民運動などのドキュメンタリーを撮影後、原子力発電所のある、女川町の日常を長期で取材。また、街と生活を写真で記録するワークショップと市民参加型の出版活動を、仙台市で5年、本吉町(現、気仙沼市)で11年続ける。写真集に「女川海物語」カタツムリ社、「FACES OF HUMANITY」共著、「野守の鏡」私家版など。個展多数。現在、東北芸術工科大学・会津大学短期大学部ほか非常勤講師。仙台写真月間2014での個展と、12月〜2015年2月にドイツ・デュッセルドルフでの個展(女川海物語)を準備中。
家の近くに川がある。川に沿ったフェンスに謎の番号札がついていることにある日気づいた。番号はえんえん続いており、私は番号をたどるように川沿いの道を撮り歩いた。そのうちに、ここが川ではなく江戸時代に作られた用水路で、この水が水道水や農業用水になっていると知った。生活のこんなに近くに飲み水の元 が流れていることに私はとても驚き、この土地に強い興味が生まれた。
越してきて3か月、私はここのことをまだ知らない。気候、風土、暮らし方のなにもかもが初めてのことばかりだ。今、私の目に飛び込むことは、おそらく今の私にしか気づけない。まっさらな私は撮りながら、見つけては拾い、教わっていく。
1977年 | 岩手県宮古市生まれ |
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2001年 | 個展「午後三時」 ギャラリーKingyo |
2002年 | 個展「なつのひかり」 ギャラリーKingyo |
2003年 | 個展「lovewords」 ギャラリーKingyo 個展「lovewords」 re:bridge edit |
2005年 | 個展「なめらかな熱」 re:bridge edit |
2006年 | 個展「熱風のせつな」 東北工業大学一番町ロビー 個展「熱風のせつな」 ギャラリーKingyo |
2007年 | 個展「名前のない体温」 art space 宙 |
2011年 | 二人展「311以後」gallery COEXIST 個展「L」仙台アーティストランプレイス 個展「地震のこと」ギャラリーKingyo |
2012年 | 個展「それでも」仙台アーティストランプレイス |
2013年 | 個展「扉」仙台アーティストランプレイス |
展示作家とゲストによるアーティストトークを行います。予約不要・参加無料。開始時間までに各ギャラリーにお集まりください。
ゲスト: 小岩 瞳子(こいわ とうこ)
1974年生まれ。写真家。東北芸術工科大学デザイン工学部卒。2001年より仙台で個展を継続的に開催するほか、山形、東京でグループ展開催。主な個展に「夜蟹」「夜を下る」など。雑誌『世界』(岩波書店) 2013年4月号に作品掲載、2013年10月〜2014年2月には河北新報夕刊にて初心者のための写真教室を連載するなど、息の長い活動を続けている。
写真に写ると魂を吸い取られる。
それはあながち嘘ではないと思う。写真を撮るという事は、その場の何かを持ち帰る事ではないか。果物ナイフで限りなく薄く切り取りながら歩く錯覚。それが時にうしろめたさを生む。他人の風景を拝借しているだけではないかという、うしろめたさ。
しかし、そこにざららとしたざわつきがあり、自分の眼では見えない刹那的何かが見えるような気がしている。
1973年 | 宮城県石巻市生まれ 仙台市在住 |
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2010年 | 3人展「そこに、或るもの ‐それぞれの視線‐」 Kalos Gallery |
2011年 | グループ展「Gallery Collection & Photo Showcase」 Kalos Gallery グループ展「11-10+1」 富士フィルムフォトサロン仙台 |
2012年 | グループ展「Photo Park ‐写真の眼‐」 Kalos Gallery グループ展「12-12」 富士フィルムフォトサロン仙台 |
2013年 | 個展「瞬き」 Kalos Gallery |
展示作家とゲストによるアーティストトークを行います。予約不要・参加無料。開始時間までに各ギャラリーにお集まりください。
ゲスト: 小岩 瞳子(こいわ とうこ)
1974年生まれ。写真家。東北芸術工科大学デザイン工学部卒。2001年より仙台で個展を継続的に開催するほか、山形、東京でグループ展開催。主な個展に「夜蟹」「夜を下る」など。雑誌『世界』(岩波書店) 2013年4月号に作品掲載、2013年10月〜2014年2月には河北新報夕刊にて初心者のための写真教室を連載するなど、息の長い活動を続けている。
仙台市営バスの終点の一つ「緑ヶ丘三丁目」に行ってみた。仙台駅側からのバス路線に沿って八木山山頂まで登って緑ヶ丘に向かうのは自転車では辛いので、長町駅側からの逆ルート「緑ヶ丘入り口」から入っていく。九十九(つづら)折りを数回繰り返して住宅街の中を一気に登ってゆく。一旦上層まで到達すると、バス通りであるメインストリートは、思いの外平坦で八木山から尾根伝いにつながっていることがわかる。その道沿いにある郵便局やスーパーを越えたところに「緑ヶ丘三丁目」のバス停は存在した。バスの終点によくある辺境感や最果て感はまったくなく、いわゆる「途中」なのである。落ち着いて見れば、バス停近くにバス3台ほどが停車できる広さの回転場もあり、終点としての機能も持っている。そして私はなぜだかいくらか安堵した。
1974年 | 兵庫県加古川市生まれ |
1999年 | 「共鳴する箱」 エル・パーク仙台展示ギャラリー |
2000年 | 「考えない練習」 エル・パーク仙台展示ギャラリー |
2002年 | 「穴が見つかる」 art space 宙 |
2003年 | 「贅沢な使い方」 art space 宙 |
2004年 | 「境界を踏む」 re:bridge edit |
2005年 | 「家の方へ」 art space 宙 |
2006年 | 「仕掛けを考える」 art space 宙 |
2007年 | 「downhill」 art space 宙 |
2009年 | 「parallels」 art space 宙 |
2011年 | 「続 家の方へ」 仙台アーティストランプレイス |
2012年 | 「slide」 仙台アーティストランプレイス 「downhill」 仙台アーティストランプレイス |
2013年 | 「slide 2」 仙台アーティストランプレイス |
展示作家とゲストによるアーティストトークを行います。予約不要・参加無料。開始時間までに各ギャラリーにお集まりください。
ゲスト: 関本 欣哉(せきもと きんや)
1975年生まれ。東京芸術専門学校(TSA)卒業。1990年代後半よりアート作品の制作、発表をはじめる。2010年より社会に繋がる表現の場として『ギャラリーターンアラウンド』を設立。2014年 行為・行動する表現を目的としたレーベル『ネオ・ノイジズム・オルガナイザーズ』を設立。建築デザインの仕事も手がける。
「コドラート」と「フローラ」という植生調査がある。
コドラートは、調査域内の四角形に区切られた範囲の植生と、その占有率を調べるもので、ドイツ語のQuatrat(方形)が語源と言われている(英語圏ではSTANDと呼ぶ)。一方のフローラは、調査域内をひたすらに縦走し、目にした植物名をリストにしていく調査を指し、通常はコドラートとセットで行われる。
フローラの調査をしていると、圧倒的な植物が群生しているにもかかわらず、同じ植物が目について立ち止まってしまうことがある。同様に縦走しながら撮っている私の写真も、立ち止まったときに押したものだと気づく。なぜ、立ち止まってしまうのか。そのことを知るために、また縦走する。
1962年 | 岩手県一関市生まれ |
1992年 | 写真集「女川海物語」 カタツムリ社 |
1993年 | 個展「女川海物語」 ガーディアン・ガーデン |
1996年 | 個展「ひとの木」 エル・パーク仙台展示ギャラリー |
1999年 | 個展「野守の鏡」 art space 宙 写真集「野守の鏡」 私家版 |
2001年 | 個展「STAND#01」 art space 宙 |
2002年 | 個展「STAND#02」 art space 宙 個展「STAND#00」 café Mattise gallery |
2003年 | 個展「STAND#03」 art space 宙 |
2004年 | 個展「STAND#04」 art space 宙 |
2005年 | 個展「クサカゲロウ」 ギャラリー 冬青 個展「STAND#05」 art space 宙 |
2006年 | 個展「STAND#06」 art space 宙 |
2007年 | 個展「FLORA#00」 art space 宙 |
2009年 | 個展「FLORA#01」 ギャラリー青城 |
2011年 | 個展「FLORA#02」 仙台アーティストランプレイス |
2012年 | 個展「FLORA#03」 仙台アーティストランプレイス |
2013年 | 個展「日をかぞえる」 仙台アーティストランプレイス |
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ゲスト: 千葉 隆平(ちば りゅうへい) 1974年仙台市生まれ。東北工業大学建築学科卒。1997年から(株)一条工務店勤務を経て2003年独立。直後から、名取市名取が丘に築140年の古民家「馨香庵(けいこうあん)」の移築を一人で向き合い、現在も建築中。失われかけた、昔ながらの大工の技術や知識の継承を目指し、土や石、さらに木材の原料となる樹木の成長や環境にまで及ぶ、素材と技術への粘り強い探究で異彩を放つ。馨香庵の詳細は、「古民家びと」 http://cominka.jp/ryuhei-chiba/
知らないところで知らないことが起きている。その事実が理解できなかった。
今も捉えられない現象が発生しているのだと考えると違和感を覚える。
いつも思い付いた光景を構成して写真を制作している。イメージを追いかけていけば違和感の答えを炙り出せると思った。
1992年 | 仙台市生まれ |
東北芸術工科大学大学院在学中 | |
2012年 | グループ展「Re produce」東北芸術工科大学 大学本館7Fギャラリー |
2013年 | グループ展「suitai展」 せんだいメディアテーク 個展「オーバーライト」 仙台アーティストランプレイス |
2014年 | 東北芸術工科大学卒業制作展「ROMANTICA」 大学本館7Fギャラリー |
展示作家とゲストによるアーティストトークを行います。予約不要・参加無料。開始時間までに各ギャラリーにお集まりください。
ゲスト:泉川のはな(いずみかわ のはな) 1991年沖縄県生まれ。2014年東北芸術工科大学 芸術学部 美術科 洋画コース卒業。同大学院 芸術工学研究科修士課程 芸術文化専攻在学中。<グループ展> 2008年「浮寝鳥のすむところ」おきなわ時間美術館(沖縄県)2011年「onetwoflower」沖縄県立美術館県民ギャラリー(沖縄県)現在、沖縄のイメージについて研究している。東北から沖縄を観察し、沖縄イメージの絵画表現を模索中。
部屋には見えない穴があいている。
それでも、その穴をさけて歩く事ができる。
穴だらけなのに、気づかないことができる。
部屋には見えない猫がいる。
それでも、あの椅子の下にはいつもいる。
見えたと思ったら消えてしまう。
あの場所に行かないとわからない。
あの人にならないとわからない。
写真でもわからない。
1984年 | 美里町(旧小牛田町)生まれ |
東北芸術工科大学 デザイン工学部情報デザイン学科 映像コース卒業 | |
2012年 | グループ展「ワンダーウォール公募展2012」 東京都現代美術館 |
2013年 | 個展「空は青くてもう夕方のようだ」 仙台アーティストランプレイス |
展示作家とゲストによるアーティストトークを行います。予約不要・参加無料。開始時間までに各ギャラリーにお集まりください。
※阿部の展示作品の舞台でもある「中井ハウス」で撮影した、『与えろ/貰え/放っておけ(台北ー東京)』(監督:西澤諭志)の一部上映も行います。
ゲスト:西澤 諭志(にしざわ さとし) 1983年生まれ。写真家。東北芸術工科大学映像学科(現映像コース)卒業。カメラを使い、在籍していた大学や、自分の部屋、自身の身近な場所を様々な方法で記録した映像作品を制作している。主な個展に「西澤諭志展-写真/絶景 そこにあるもの-」(INAXギャラリー2)、「ドキュメンタリーのハードコア」(SANAGI FINE ARTS)など。また映画作品『百光』(2014)の上映会、グループ展「空想する都市学:空間の再分配 フィールドワーク」(3331ArtsChiyoda)での『与えろ/貰え/放っておけ(台北ー東京)』の上映展示なども行っている。キヤノン写真新世紀2007、2008佳作受賞。
部屋は黒い蝶のようだった。影が重さを増しながら漂っている。外は小雨が降り続く。
ドリルの刃は、石膏ボードの壁を貫通して外側のコンクリートを叩く。振動は上腕を通じて肩、内蔵、体液、そして時間のすべてを鈍く揺さぶる。足元の床は粉塵が厚く積もり、フローリングの溝を埋めている。私の膝も白い粉まみれになる。目一杯の力を刃先に押し付けても、穴が開く感触が伝わってこない。壁が硬い。汗が止まらない。いつのまにか私は、ドリルの刃と一体となっていた。何ヶ所か開けた穴に、コンクリートビスを打ち込んでいく。その際のインパクトドライバーは、心地いい音を響かせる。ふと天井を見上げると、小さな蜘蛛が梁の隅へと動いている。その足取りは、暗がりをもとめるかのようで、ひどく慎重に見えた。
1971年 | 仙台市生まれ |
1998年 | 個展「日没の温度計」 エルパーク仙台展示ギャラリー |
2001年 | 個展「あたたかい岸」 art space 宙 |
2002年 | 個展「town」 art space 宙 |
2003年 | 個展「新 town」 re:bridge edit |
2006年 | 個展「遠い一群」 art space 宙 |
2009年 | 個展「たいら」 ギャラリー青城 |
2011年 | 二人展「311以降」 gallery COEXIST 個展「ROOMS」 仙台アーティストランプレイス |
2012年 | 企画展「東北より」ニコンサロンbis大阪 個展「ROOMS II」 仙台アーティストランプレイス |
2013年 | 個展「ROOMS III」 仙台アーティストランプレイス |
展示作家とゲストによるアーティストトークを行います。予約不要・参加無料。開始時間までに各ギャラリーにお集まりください。
ゲスト:渡辺 誠一郎(わたなべ せいいちろう) 1950年 宮城県塩竈市生まれ。俳人。1989年佐藤鬼房に師事。1990年小熊座同人。1992年 第17回宮城県俳句賞準賞受賞、1996年 第1回小熊座賞受賞、1998年 平成9年度宮城県芸術選奨新人賞受賞、1998年 第3回中新田俳句大賞スウェーデン賞受賞* 句集『渡辺誠一郎句集』、『潜水艦』(私家版)『余白の轍』、『数えてむらさきに』(銀蛾舎)共著『現代俳句100人20句』(邑書林)他* 現在「小熊座」編集長、「火星の庭俳句会」主宰。近年は、松尾芭蕉、正岡子規などの著作、研究書を丹念に読み込み、その講演会での軽妙な語り口には定評がある。また、塩竈フォトフェスティバルの立ち上げに尽力し、写真の造詣も深い。
作家在廊予定:9/30(火)、10/2(木)・4(土)・5(日)。